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2008年12月30日(火)
『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版』高橋良輔監督インタビュー

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2009年1月17日よりロードショーの映画『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版』。「装甲騎兵ボトムズ」は1983年よりテレビシリーズとして放送され、その後も数多くのOVAシリーズが制作されるなどロボットアニメの最高峰として今なおファンの間で圧倒的支持を得ている作品。今回の劇場版では、TVシリーズの前史が最新の3DCGで描かれており、「ボトムズ」シリーズ最大の禁忌である“異能生存体”と呼ばれる主人公・キリコを巡る謎の深淵に迫ります。
このたび、高橋良輔監督とのインタビューが実現、「装甲騎兵ボトムズ」や「ペールゼン・ファイルズ」、アニメーションの世界についてお話を伺ってきました。

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1983年の「装甲騎兵ボトムズ」テレビシリーズから2009年公開の「ペールゼン・ファイルズ」までの長い構想というのは元々からあったのものですか?

そんなことないですよ。52本というテレビシリーズが基本でして、大体終わりはこうしようというのは決まってるんですよ。ボトムズの前の作品のダグラム(「太陽の牙ダグラム」)も終わりはこうしようというのは決めてたんですよ。ボトムズも52本というつもりで始めましたんで、先にいろんな事が起こるなんてことはまだありませんでした。メディアもそんなに発達してなかったですから、せいぜいなるとしても映画かノベライズという時代でした。だから、52本でお話自体は終わるという…そんな先を考えた作り方は誰もしてない時代でした。

では、今作「ペールゼン・ファイルズ」を作ることになったきっかけはなんでしょう?

テレビシリーズから今まで27年ぐらいの間に、当初爆発的に売れてなかったメカがですね、ずっと長生きしてたんですね。ということはですね、最初に見ててくれた人がずっと買い続けてくれて、20年を超える支持者がいてくれたんでしょうね。あと、元々はタカラ提供作品だったんです。ところが今のサンライズはバンダイのグループ会社なんですね。そのバンダイの模型を作る人なんかが、ボトムズを作りたかった人なんです。その人たちが決定権を持ってきた。ちょうど40歳前後なんです。「俺やりたかったんだよなあ」といろいろ話している内に「やっちゃおうかな」みたいなこともあるんです。
今どこ行っても業界の中堅どころや一番働き盛りの人が、ボトムズに限らずガンダムとか見てた世代の人なんです。

「ボトムズ」はロボットアニメという括りになると思いますが、ロボットにしてはサイズがあまり大きくないですね?

もっと小さいサイズのを作った人もいるかもしれませんけど、テレビシリーズとして作られて、ある程度長生きしてるものの中では一番小さいですね。

どうしてそんなに小さいデザインになったんですか?

ボトムズの前に作ったダグラムが10メートル前後なんです。10メートルのロボットというのは、アニメーションの演出上では50メートルと変わんないんですよ。一年中ロボットと人間の対比でもって画面を作らないんですよね。ロボットとロボットの戦いだから、50メートルでも10メートルでも画角の中ではおんなじなんですよ。
ダグラムでは10メートル前後ということで、兵器であるから―現有兵器に10メートルの
兵器っていくらでもあるんですよね―人間とダグラムというロボットと一緒の画面の中でっていうのを他の作品と分けるために考えたんですよ。収まりは悪くないんですけど、それが物語上、動いてないロボットと人間がいるっていうのがそんなに印象的に作れなかったんですね。もしロボットと登場キャラクターがいい具合に収まるというのは、もっと小さくしなきゃいけない、という考えがひとつ。
もうひとつは、どうしても10メートルを超えるロボットというのは「重い」とか「強い」とかっていう演出になるんですよ。スピード感が少し…。で、僕がやった作品っていうのはダグラムからあまり空を飛ばないことになってるんですね。地上兵器。汗臭くて誇り臭い地上兵器。そうすると、地上を10メートル以上のものが動き回ると「ドスンドスン」とか「力強さ」。カメラのアングルだとあおりを多用したりとか、あんまりスピード感っていうのが出しにくいんですよ。スピード感と力強さっていうのは共存できないことはないんですけど、どっちを取るかって言ったらロボットものといったら今までは「力強さ」だったわけです。それをダグラムの次にはスピード感のあるロボットを作りたいって僕は思ったわけです。そうすると「小さくしたい」。
で、4メートルというのがロボットと認識される僕の中でのギリギリなんです。もっと小さくなるとパワード・スーツになってしまってロボットというカテゴリーではなくなる。
いろいろそういうことを含めてボトムズのサイズになったんです。

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「ペールゼン・ファイルズ」は「ボトムズ」の歴史の中で初めて3DCGを導入されてますが、3DCGの導入を決定した理由はなんですか?

ひとつは、物語の中に1話があるんですね。1話というのは大戦争のイントロにしたかったんですね。ビジュアル的に戦場というものを描きたかったんですよ。戦場っていうのはなにも大部隊がいなくても戦場が描けるんですけど、それをテレビシリーズでは意外と描いてないんですよ。というのもテレビシリーズは戦争が終わったところから始まってるんで…だから、戦争自体をやってないんで、戦争もしくは戦場というものを描いてみたいというのがあったんですね。それがなにもず〜っとじゃないですよ、その戦争が始まって終結するまでの戦争の全体像じゃなくて、あくまでも戦場の風景、兵士がいる風景の中で戦場を描いてみたい。そうするとどうしても数を出さなきゃいけない。CGは数というのには強いんです。手間はかかりますけどね。
もうひとつは、CGの技術が20分前後のテレビサイズのアニメーションを描くのにいい所まで技術があがってきたんですね。昔はポリゴンにすると透けて見えるような鉄の感じが出ないというのがあってCGの技術が低かったんですね。もっとも、進んでるCGはもっと先の方まで行ってますけど、そんな必要なないんですよ。使えるCGでいいんですよ、僕の場合は(笑) 最先端の映像はいらない。元々僕の作ってるものは最先端じゃないですから、業界の中でこなれた技術があればいい。ちょうどそれがボトムズという作品にはこなれたきた技術かなあ、と。
そりゃあもう他の人はいろいろ反対があって、10人の内9人は見る人も作る人も反対してましたね。ボトムズという世界には手描きのアニメーションが似合うってみんな思ってたんで。たしかにそういう部分もあるんですよ。ただ、僕は「だいじょうぶ、それは慣れの問題だから。ボトムズの手描きというものには今のCGは追いついた」と、まあそれは勝手な僕の…やっぱり1本2本見たところでは「やっぱり手描きの方がいいな」という人もまだまだいましたから。でも、こんだけ終わってしまえばね、「まあ、よかったかな」って話になってますけど(笑)

「ペールゼン・ファイルズ」は2006年〜2007年にOVAシリーズ(全12話)としてリリースされてましたが、今回の「劇場版」はその総集編という位置づけでよろしいんでしょうか?

僕の中ではそうなんですけど(笑)、製作スタッフは「映画」って言ってますね(笑)

「劇場版」で新しく追加されたシーンとかはありますか?

ありますよ。あるんですけども、人によってそれが多いとか少ないとかいう異論はあると思います。
ハッキリ言って総集編なんですけど、映画になってます。編集を映画のように作ってますから。ビデオの22分ぐらいのテンポと、2時間の枠の中で暗い中で一気に観てもらうっていうのは全然違いますから、編集や音で映画のようになってます。

「劇場版」のエンディングの辺りで分からないところが…

それは昔から見ててくれた人のサービスカットですからね(笑)
なんと言ってもテレビシリーズの52本というのがボトムズの基本なんで、あれを見ててくれた人が支持してくれたんで、今の映画もあると僕は思ってるわけ。映画を見ても、作り手がいつも52本のあそこに帰るんだって気持ちがね、52本の世界を愛してて、あそこにいつでも気持ちが戻るんだっていうアピールをしたかったんです。そういう意味でああいう繋ぎなんです。だから初めて観る人はちょっと戸惑うかもしれませんね。

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【関連URL】
「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」オフィシャルサイト
http://www.votoms.net/movie/

CinemaLeaf「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」紹介ページ
http://www.moon-leaf.biz/cinema/screen/200901Votoms.shtml


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