巨額の製作費を投じたリメイク作や過去のヒット作の続編などがBOX OFFICEを賑わす中、インディペンデント系の作品としては異例のロングランヒットを達成し、大きな話題となった作品がこの『幻影師アイゼンハイム』である。スタートは全米わずか51館。その後、出来栄えの良さが次々と口コミを呼び、公開劇場数は最大1,438館まで拡大。結果、22週に渡るロングランを記録して、同時期公開のメジャー作品『レディ・イン・ザ・ウォーター』や『ブラック・ダリア』などを超える興行収入40,000,000ドルを達成!観客の支持はもちろん、多くの映画関係者の注目をも集めることとなった。
舞台は19世紀末のウィーン。当時の人気職業だった「幻影師」の中で"天才"と称された比類なき男と公爵令嬢との間の決して許されることのない"格差愛"を主軸とした物語は、ハプスブルグ王室末期の人間模様や世紀末の世相が巧みに加味され、また、幻影師が舞台で披露する妖しくも見事なイリュージョンに彩られ、格調高く且つサスペンスに満ちた展開を見せる。そして何よりも観客を魅了して止まないのは、作家スティーヴン・キングが"Entertainment Weekly 2006: My Top 10 Movies"で「何度も観たくなる!」と絶賛していたそのラスト。ある意味爽快な驚きに満ちた結末は、本作の評価を永く語り継がれる名作の域へと高めることに成功した。
主人公の幻影師アイゼンハイムを、誰もが惹きこまれてしまう世紀末のアンチヒーローとして力強く演じきったのは、二度のオスカー候補に挙がりその定評のある演技から出演作が常に注目されるエドワード・ノートン。意外にも本作が初のラブロマンスの主演となる。共演には『サイドウェイ』『シンデレラマン』で数多くの映画賞に輝くポール・ジアマッティ、『NEXT-ネクスト-』への出演で大いに注目を集める美人女優ジェシカ・ビール、イギリスの舞台出身のルーファス・シーウェルなど本格派の演技陣が揃い、見事なアンサンブルを見せている。
原作は、ピューリッツァー賞受賞作家スティーヴン・ミルハウザー。幻想文学の書き手として世界的な人気を誇る彼の短編集の中から本作を見出したニール・バーガーが監督・脚本を担当。脚本化にあたっては「出来るだけ事実に近い作品に仕上げたい」として、ハプスブルグ帝国末期に実在した人物、19世紀末に披露されていた奇術、また当時帝国だけでなくヨーロッパ中に衝撃を与えた「マイヤーリング事件」など実際に起こった事件を参考に独自の世界観を創り上げていった。製作陣には『サイドウェイ』でゴールデン・グローブ作品賞を受賞したマイケル・ロンドン、『クラッシュ』でアカデミー作品賞を受賞したボブ・ヤーリという二人の有名プロデューサーが参加。その他スタッフとして、撮影は『秘密と嘘』『ヴェラ・ドレイク』のディック・ポープ、音楽は『めぐりあう時間たち』『あるスキャンダルの覚え書き』のフィリップ・グラス、衣装デザインは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのナイラ・ディクソンと、超一級のメンバーが集結。第79回アカデミー賞最優秀撮影賞ノミネートをはじめ、数々の映画祭・映画賞でも高い評価を獲得し、受賞・ノミネートの栄誉に預かることとなった。
アイゼンハイム エドワード・ノートン
ウール警部 ポール・ジアマッティ
ソフィ・フォン・テッシェン公爵令嬢 ジェシカ・ビール
レオポルド皇太子 ルーファス・シーウェル
興行師フィッシャー エディ・マーサン
ヤルカ(ウール警部の部下) ジェイク・ウッド
ウィリグート(ウール警部の部下) トム・フィッシャー
医者/老紳士 カール・ジョンソン
監督/脚本 ニール・バーカー
原作 スティーヴン・ミルハウザー『幻影師、アイゼンハイム』
2006年|アメリカ・チェコ|109分|カラー|ビスタサイズ|SR-D|SDDS
原題:THE ILLUSIONIST
字幕:松浦美奈
配給:デジタルサイト/デスペラード
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