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ぐるりのこと。

めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。
6月7日よりシネマライズ、シネスイッチ銀座ほかロードショー
公式サイト http://www.gururinokoto.jp/

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new 『ぐるりのこと。』公開初日舞台あいさつ(2008.06.08)

ぐるりのこと。

©2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ

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"世界が認めた才能"橋口亮輔6年ぶりの復活作は、ずっと心にとどまり続ける、ささやかだけど大きな愛の物語。
決して離れないふたりの物語。そしてそれは、いまを生きる私たちの物語。

1993年7月。ふたりの部屋のカレンダーには「×」の書き込み。妻・翔子(木村多江)が決めた週に3回の夫婦の「する日」の印だ。しかし、その日に限って、靴修理屋で働く夫・カナオ(リリー・フランキー)の帰宅は遅い。女にだらしないカナオが遊び歩いているのでは? 彼の手の甲をぺろりと舐め、浮気かどうかチェックする翔子。カナオは先輩の紹介で、新しく法廷画家の仕事を引き受けてきたところだった。「はあ!? 靴屋は? とにかく……決めたことやってから話そうか」苛立った様子で、翔子は寝室へ消える。「この感じからは……ちょっと無理だと思うな」カナオはぼやきながら、渋々寝室へ入っていく。

ふたりはどこにでもいるような夫婦。翔子は女性編集者として小さな出版社でバリバリ働いている。一方、カナオは法廷画家の仕事に戸惑いつつ、クセのある記者・安田(柄本明)や先輩画家らに囲まれ、次第に要領を掴んでいく。職を転々とするカナオを、翔子の母・波子(倍賞美津子)、兄・勝利(寺島進)とその妻・雅子(安藤玉恵)は好ましく思っていない。しかし、そんなカナオとの先行きに不安を感じながらも、小さな命を宿した翔子には喜びのほうが大きい。「お、動いた!」カナオと並んで歩く夜道で、翔子は小さくふくらんだお腹に手を触れる。カナオのシャツの背中をぎゅっと掴んで歩くその後姿には、幸せがあふれていた―。

1994年2月。ふたりの部屋に掛けられたカレンダーからは「×」の印が消えている。寝室の隅には子どもの位牌と飴玉が置かれていた。初めての子どもを亡くした悲しみから、翔子は少しずつ心を病んでいく。

気分転換にと新居へ引っ越しする翔子とカナオ。友人と鍋を囲みながら、カナオは猥談に花を咲かせていた。突然、「蜘蛛!」という悲鳴があがるのを聞いて、翔子は過剰な反応を示す。「蜘蛛を殺さないで!」絶叫する彼女を、カナオがじっと見つめている。

法廷でカナオはさまざまな事件を目撃していた。1995年7月、テレビは地下鉄毒ガス事件の初公判を報じている。産婦人科で中絶手術を受ける翔子。すべてはひとりで決めたこと、カナオにも秘密である。しかし、その罪悪感が翔子をさらに追い詰めていく。弱った体で無理をおして書店でのサイン会に立ち会うが、ふとしたことから涙があふれてしまう。そして、ついに実家で倒れてしまうのだった。

1997年10月、法廷画家の仕事もすっかり堂に入ってきたカナオ。翔子は仕事を辞め、心療内科に通院している。台風のある日、電話が通じないことに不安を感じたカナオが家へ急ぐと、風雨が吹きこむ真っ暗な部屋で、翔子はびしょ濡れになってたたずんでいた。「わたし、子どもダメにした……」翔子は取り乱している。はずみで蜘蛛を殺してしまったカナオを、泣きながら、何度も強く殴りつける翔子。「どうして……どうして私と一緒にいるの?」そんな彼女をカナオはやさしく抱きとめる。「好きだから……一緒にいたいと思ってるよ」ふたりの間に固まっていた空気がようやく溶け出していく。

茶会に通うようになった翔子は、そこで庵主様からリフォームする本堂の天井画を描かないかと提案される。1998年7月。いつの間にか、ふたりの部屋のベランダはささやかな家庭菜園に変わっていた。赤く実をつけたトマトをもぎ、美味しそうにかじる翔子とカナオ。夜、ふと目を覚ましたカナオは、熱心に画集に見入る翔子の姿を発見する。

1999年2月のカレンダーには再び「×」の印が付けられている。ふたりの生活は少しずつ平穏を取り戻していた。カナオがバイトする絵画教室でスケッチに励む翔子。ふたりの部屋の居間には、翔子が描いた美しい絵の数々が立てかけられている。季節は、雪景色から桜の春、そしてヒマワリが咲き誇る夏を過ぎ秋へ。時がすべてを洗い流していくなか、カナオは法廷で地下鉄毒ガス事件、小学児童殺傷事件といった陰惨な事件が裁かれるのを目撃していた。

2000年5月、長く離れて暮らす翔子の父がガンになり、翔子とカナオは名古屋へ見舞いに出掛ける。宿泊したホテルで出くわす他人の結婚式の風景。式を挙げていないふたりは、その光景をしばらくの間見つめていた。波子の家に集った親族に、父の様子を報告する翔子とカナオ。波子は夫のことを思い出しながら、「翔子をよろしくお願いします」とカナオに頭を下げる。思わずこみ上げる翔子。

そして2001年7月。部屋には名古屋で撮影したふたりの記念写真が飾られている。完成した天井画を穏やかな表情で見つめる翔子とカナオ。畳の上に寝そべって静かに手を絡ませている。数日後、カナオは法廷で小学児童殺傷事件に死刑判決が下るのを見ていた。被害者遺族に罵詈雑言を吐き捨て、退廷させられる被告。裁判所の渡り廊下で、「人、人、人……」と呟きながら、カナオはまた今日も白い紙に向かう。

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木村多江
リリー・フランキー
倍賞美津子
寺島進
安藤玉恵
柄本明

原作/脚本/編集/監督 橋口亮輔

配給:ビターズ・エンド

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