笑い、人情からちょっとしたミステリー風味まで落語という芸のエッセンスを絶妙に映像化
はるか江戸の昔から、日本人の心にいちばん深く住み続けてきた落語。したたかな庶民の知恵に爆笑し、変わらぬ人の情にホロリと涙して、聞き終わると心が温かくなっている…。映画『落語娘』は、そんな極上のエンターテインメントに青春をかけた若い女の子と、業界の異端児と呼ばれた師匠の物語だ。
原作は、新鋭作家・永田俊也の同名小説(講談社刊)。落語という話芸の奥深さと怖さをバックに、伝統社会のなか奮闘する女性の姿をユーモラスに活写して落語ファンをも唸らせた。このユニークな成長譚を、『櫻の園』『12人の優しい日本人』などの傑作を生みだしてきたベテラン・中原俊が映像化。落語好きを自認する中原監督は、厳しい修行時代や知られざる落語界の裏事情、さらには禁断の落語『緋扇長屋』にまつわるミステリーやサスペンスなども巧みに交えて、予想外のオチ(ラスト)まで一気に観客を引っ張っていく、緩急自在なその語りのテンポは、まさに落語の呼吸(いき)そのものものと言っていい。
さらに大きな話題は、いま注目度ナンバーワンの噺家・柳家喬太郎を筆頭に、隅田川馬石、柳家喬之助など現役の落語家たちが監修に当たったことだ。落語指導はもちろん、楽屋での細かい所作から小物までを徹底指導。修行にあけくれる若き前座の生活を、いままでになくリアル、かつ温かい視線で描きだしている。
ひたむきさが身上のヒロインと、常識外れな師匠
日本映画の記憶に残る名コンビが、ここに誕生!
さまざまな壁に突き当たりながらも、ひたむきな落語への思いで道を切り拓いていくヒロイン・香須美を爽やかに演じるのは、大ヒットしたドラマ「斉藤さん」での好演も記憶に新しいミムラ。本作では『着信アリ2』『この胸いっぱいの愛を』(ともに05年)以来約3年ぶりの映画主演を果たした。見せ場の落語シーンでは、喬太郎師匠をして“彼女こそ僕の一番弟子”と言わしめた努力家ぶりを発揮。かけだしの女前座として「寿限無」「たらちね」から大ネタ「景清」までをスクリーンで見事に演じきっている。
その香須美を翻弄しつつ、実は温かく庇護し見守る師匠・平佐役を貫禄たっぷりに演じているのは、日本映画界が誇る盟友・津川雅彦だ。さまざまな芸能に通じ、06年には落語家を主人公にした映画『寝ずの番』を自ら監督もした大ベテラン。クライマックスの高座シーンでは、監督・スタッフが惚れ惚れするほどの話芸を披露している。ミムラとの名コンビぶり―破天荒に見えて実は強い師匠の絆も、観る人の心に強く訴えかけてくるはずだ。
その他にも、平佐と対照的な落語界の若きリーダー・三松家柿紅を重厚感たっぷりに演じた益岡徹を筆頭に、伊藤かずえ、絵沢萌子、なぎら健壱などの実力派が出演。スペシャルゲストとして人気落語家の春風亭昇太が顔を見せているのも見逃せない。
ミムラ
津川雅彦
益岡徹
伊藤かずえ
森本亮治
絵沢萌子
利重剛
なぎら健壱
監督 中原俊
原作 永田俊也
落語監修 柳家喬太郎/隅田川馬石/柳家喬之助
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コメントレビュー
《遊木民さん》
映画の内容については私ごときが今更言いませぬ。わたしの行った映画館(サロンシネマ鷹野橋)はこの映画に限り饅頭2個とお茶がついておりました。ラッキー。座席の前にテーブルがあるのでゆったりです。
(2008.08.31 23:05)
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